肺うっ血。 うっ血性心不全について

肺葉切除における肺動静脈の切離順序と肺うっ血に関する検討

肺うっ血

高齢者の心不全の特徴 公開日:2016年7月25日 13時00分 更新日:2019年4月15日 11時11分 高齢者の心不全の症状 心臓は大きく4つの部屋に分かれており、右側の心臓は肺へ血液を送りだす一方で、左側の心臓は全身へ血液を送りだす働きを担っています。 心不全の場合は特に心臓の左側の働きが悪くなる「左心不全」と右側の動きが悪くなる「右心不全」に分かれます。 左心不全による症状 心拍出量の低下による症状 左心(心臓の左側)は、右心から肺へ送り出された血液が再び心臓に戻ってくる場所です。 そして、肺から戻ってきた血液は左心から全身に送り出されます。 左心不全では肺に血液が溜まり(肺うっ血)、やがて肺が水浸しの状態(肺水腫)になるため、呼吸困難になります。 また、心不全によって心臓の拍動が弱まると、心臓から押し出される血液の量が減ってしまうため、疲れやすくなったり、手足が冷えたり、全身に様々な影響を及ぼします。 具体的な症状としては、• 易疲労感(疲労を感じやすくなる)• 低血圧• 冷や汗• 四肢チアノーゼ(手足の末端の血色が悪く、青白くなる)• 意識障害(脳に十分な酸素が行き届かなくなるため)• 乏尿(ぼうにょう・尿の量が1日400ml以下になる) などがあげられます。 肺うっ血による症状 心臓と肺は、太い血管でつながっています。 そのため、心不全によって心臓機能が低下すると、肺には血液がたまってしまい、「うっ血状態」になります。 肺うっ血状態になると、呼吸がしづらくなり、以下のような症状が出ます。 動作時の息切れ• 呼吸回数の増加• 咳や喘鳴(ぜんめい)• 起座呼吸(寝ていると苦しいが、起き上って座ると呼吸が楽になる) 右心不全による症状 右心不全の特徴として、一部を除き、左心不全が起こると続発して右心不全も起こる、両心不全状態になるということです。 右心(心臓の右側)は、全身をめぐった血液が心臓に戻ってくる場所です。 そして、戻ってきた血液は右心から肺へ送り出されます。 右心不全になると肺へ血液を送り出すことができないため、心臓に戻ってくる血液を受け入れることができなくなり、静脈に血液が溜まります。 そのため、下肢や顔面などがむくんだり、肝臓が腫れたり(うっ血肝)、お腹に水が溜まったりと、以下のような症状が出現します。 食欲不振• 吐き気、嘔吐• 腹水貯留• 浮腫(足首から上に起こる)• 体重増加(2~3キロほど) 右心不全が進行すると、体全体の血液循環が悪化するために、左心不全の症状は緩和する一方で、全身状態が悪化するリスクが高まっていきます。 高齢者の心不全の診断 心不全の診断には、上に挙げた症状の他に、聴診器による肺音の聴診、血液検査と胸部レントゲン、心臓エコー検査の結果により総合的に、心不全かどうかを診断します。 血液検査 採血にて、「脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)」という値が高値になります。 胸部レントゲン レントゲンを取ると、心臓が通常よりも肥大しており、胸水がたまっているなどの肺うっ血の所見が見られます。 心臓エコー 心臓エコーによって、心臓の内部が拡張しているかどうかを見ます。 高齢者の心不全の治療 心不全は主に、薬による治療が中心となります。 薬によって心臓の働きを補助し、血液を押し出す力が改善するように働きかけます。 主な薬の内容としては「利尿剤」、「血管拡張薬」、「強心薬」などがあげられます。 薬を飲むことが難しい、薬の種類によっては点滴による治療が行われます。 高齢者の心不全の予後 心不全には、ニューヨーク心臓協会(New York Heart Association)が作ったNYHA分類という、自覚症状による重症度分類が使われています。 各分類は表のとおりです。 一方で、心不全状態を示す「BNP」の値そのものは、数値が高い=予後が悪い、ということはなく、症状の改善によって劇的に数値が減少する、ということもよく見られます。 高齢者の場合には、本来は症状が出ているはずの状態でも症状を自覚できずに過ごしてしまっていることも多いため、注意が必要です。 高齢者の心不全の看護・ケア 高齢者の場合は、加齢に伴い慢性的に心臓の機能や筋肉が衰えてしまう影響で、一度心不全を発症すると慢性的に繰り返してしまうことが少なくありません。 そのため、増悪予防のためにも自己管理が重要となります。 具体的には、「塩分を控える」「水分の取りすぎに注意する」「適度な運動を行う」「確実に薬を飲む」などがあげられます。 こうして少しでも心臓の働きを助けてあげることで、心不全の再発を防ぐことができます。

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肺うっ血/肺水腫(はいうっけつはいすいしゅ)とは

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呼吸困難の治療 薬物治療としては、心臓のポンプ機能を改善するための薬や、心臓が血液を送り出しやすくする薬、体うっ血の改善のために水分を排出しやすくするための薬などがあります。 一方、薬物治療以外の治療として、酸素療法やマスク式の人工呼吸器( NPPV ( エヌピーピーヴィ ) 装置)を用いた呼吸補助療法なども行われています。 NPPV装置の中で、最近では ASV ( エーエスヴィ ) (Adaptive Servo Ventilator)という肺うっ血の改善にむけた専用の装置が自宅で使用されることがあります。 これは、夜間寝るときにマスクから肺に空気を送り込んで呼吸を助けるとともに、過剰な血液の戻りを防ぎ、肺うっ血を改善することを期待して使用されています。 むくみ(浮腫) 心臓のポンプ機能が低下して心臓が体から十分に血液をうけとれない(右心の機能低下)ことにより、体に血液が滞る(体うっ血)ことによる症状が出現します。 そうすると、全身のむくみ(浮腫)や体重増加がみられます。 むくみは、全身といっても重力の関係で両足にみられることが多いです。 指で数秒間押して離したときに、指の痕がしばらく残るようなむくみは、心不全などによって水分が溜まっている可能性が高いといえます。 症状が発現する前のステージBでは、心機能低下を防ぐために薬物治療を主体とする治療が行われ、症状発現後は重症化して治療抵抗性にならないように入院を防ぐための包括的な治療が検討されます。 大事なことは、心不全の症状が出てきた時点でステージはCまで進んでしまっているために、症状が出ていないステージAやBの段階から積極的に治療を始めることです。 症状がないからといって治療を中断したり、治療開始を躊躇することは適切ではありません。 心不全の検査の例 胸部X線検査 心臓が大きくなっていないか、肺に血液が滞ってしまっていないか(肺うっ血)など、心不全の存在や重症度を予測することができます。 比較的簡単に行える点が利点ではありますが、この検査で問題がなさそうに見えても、必ずしも心不全がないとは言えないことがあります。 心エコー検査 心臓の形や大きさ、動いている様子、血液が送り出される様子を観察して、心臓のポンプ機能を評価します。 心不全の有無や程度だけでなくその原因についての情報が得られます。 血中脳性ナトリウム利尿ペプチド( BNP ( ビーエヌピー ))濃度 脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)は心室に大きな負荷がかかると、血中に多く分泌されます。 血中のBNP濃度を測ることによって、心不全の重症度の目安になります。 検査結果は数値として表示されるので大小が理解しやすいですが、個人差があったり、必ずしも万能な検査ではないため、あくまで心不全の診断の参考に留める必要があります。 パルスオキシメータ 心不全の患者様は、安静時には予測できないほど労作時や睡眠時に血液中の酸素が不足して、心臓その他の臓器に負担がかかることがあります。 腕時計型のメモリー付のパルスオキシメータという機器を、終日または終夜装着して、動脈血中の酸素飽和度を簡単に検査することができます。

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心不全の症状とそのわけ −肺うっ血と体うっ血の症状と治療−

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呼吸補助療法( NPPV ( エヌピーピーヴィ )、その一種の ASV ( エーエスヴィ )) 全身に血液を送り出す力が弱っている心不全患者様のなかには、心臓だけでなく肺にも血液が滞り(肺うっ血)、何かのきっかけでその状態が悪化することで呼吸困難が悪化してしまい入院を繰り返す方がいます。 ここでは主に、心不全の患者様専用に使用上の快適性を追求して作られたNPPVの一種であるASV (Adaptive Servo Ventilator)について説明します。 ASVのしくみ 心不全が重症化して心臓が体側にうまく血液を送り出せなくなると、心臓だけでなく肺に血液が滞って(肺うっ血)肺に水分がしみだし、肺が上手く酸素を取り込めなくなって息切れや呼吸困難が現れます。 特に夜間に横になることで、しばらくすると息苦しくなり(発作性夜間呼吸困難)、座ることで症状が和らぐため患者様は起き上がる姿勢を自然に取るようになることがあります(起座呼吸)。 これは、臥位(寝る姿勢)をとることで心臓に戻ってくる血液の量が増すことで心臓や肺に血液が滞り、肺うっ血と呼吸困難が悪化する一方、座る姿勢をとることで重力の影響を受けて逆に戻ってくる血液の量が減って肺うっ血と呼吸困難が改善するからです。 薬物治療を十分に実施してもこのような症状が起こるリスクのある、治療抵抗性の心不全患者様に対して、マスク式の人工呼吸器(NPPV)を用いた呼吸補助療法の導入が検討されることがあります。 通常のNPPVと違い、患者様の呼吸パターンを学習して、吸いやすく空気を送り込めるように工夫した、快適な使用感が追及されたASVという心不全患者様専用の装置が、院内だけでなく自宅でも使用されており、これまで日本国内において2万人を超える患者様が使用しています。 この装置を夜間に装着し、眠っている間にマスクから肺に空気を送り込んで呼吸を助けるとともに、過剰に血液が戻ってくるのを抑えて、肺うっ血を改善することで心不全の症状を改善することが期待されます。 心不全患者様がご使用になられる上での快適性を追求して作られたNPPVの一種であるASVですが、マスクを顔に装着してそこから送られてきた空気を長時間吸い込む装置ですから、肺うっ血による症状の改善よりも、装着時の違和感を強く感じてしまう患者様も少なくありません。 そのような時には、例えば下記のような工夫が医療者から指導されています。 また、診療報酬上において、学会ステートメント 2)に留意した上で、心不全患者のうっ血に対するASV使用が認められています。 急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版). ( 2018年 4月閲覧 )•

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