在職老齢年金制度見直し。 改正でも不公平感拭えず 在職老齢年金制度が抱える問題点

在職老齢年金制度の見直し(基準額緩和・廃止)のオプション試算・2019年8月27日財政検証

在職老齢年金制度見直し

65歳未満の在職老齢年金 会社員や公務員として収入を得ている人が、老齢厚生年金 報酬比例部分 の支給年齢になったとき、収入と年金額に応じて、年金の一部または全額が支給停止になります。 65歳未満の老齢厚生年金の支給開始年齢 本来の老齢厚生年金の支給開始年齢は65歳からになりますが、支給開始年齢を65歳に引き上げる経過的措置として、65歳未満の人に「特別支給の老齢厚生年金」が支給されます。 例えば、昭和32年4月2日~34年4月1日生まれの男性は63歳から支給開始になります。 仮に昭和33年 1958年 8月2日生まれの男性は令和3年 2021年 9月分から老齢厚生年金の報酬比例部分が支給開始になります。 在職老齢年金支給停止の判定金額 特別支給の老齢厚生年金の支給が始まったとき、会社員や公務員として在職し厚生年金に加入している場合、在職老齢年金制度の対象となり、収入額と年金額の合計額によって、年金の一部または全部が支給停止になる場合があります。 年金支給停止の判定は、収入 報酬月額 と年金額 基本月額 の合計金額により、月ごとに判定されます。 65歳未満も65歳以降もこの判定金額を用います。 年金支給額:6万円• 給与との合計額:30万円 < 例2> 報酬月額:30万円、 基本月額:10万円の場合• 年金支給額:4万円• 給与との合計額:34万円 今回の年金改定により判定金額が47万円になると、例1・例2いずれの場合も支給停止額が発生しないことになります。 65歳以降の在職老齢年金 65歳以降の在職老齢年金の支給停止基準額については、当初金額引き上げが検討されましたが、「高収入者に対する優遇だ」とする反対意見から、現行のまま47万円で据え置かれました。 判定金額 判定結果 47万円以下 年金の支給停止なし 47万円超 年金の一部または全部支給停止 なお、老齢基礎年金は判定基準には関係しません。 65歳以上の在職者の老齢年金を毎年再計算 現行では、老齢厚生年金の報酬比例部分の金額は、以下のタイミングで、その前月までのすべての加入記録をもとに計算されます。 特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢に到達したとき• 65歳までに退職して資格喪失したとき(退職時改定)• 65歳時点で在職している場合は65歳になったとき(65歳裁定)• 70歳までに退職して資格喪失したとき(退職時改定)• 70歳になり厚生年金の資格を喪失したとき(70歳裁定) 特別支給の老齢厚生年金の支給額が確定すると、その後在職して厚生年金保険料を納付しても、それが年金額に反映されるのは「退職時改定」または「65歳裁定」になります。 また、65歳になってその時点で老齢厚生年金の支給額が確定すると、その後在職して厚生年金保険料を納付しても、それが年金額に反映されるのは「退職時改定」または「70歳改定」になります。 今回の制度改定では、65歳以降も在職している場合、2022年以降、毎年1回(10月)それまでの加入記録で年金額が再計算され、それまでに支払った保険料が年金額に反映され、老齢厚生年金 報酬比例部分 の支給額が積み上がっていくことになります。 「 在職定時改定」と言います。 ただし、65歳未満では、この「在職定時改定」は行われず、現行のままになります。 まとめ 65歳未満の在職老齢年金の支給停止基準額が47万円に引き上げられることによって恩恵を受けるのは、改定が施行される令和4年 2022年 4月の時点で在職しながら特別支給の老齢厚生年金を受給している以下の方々です。 昭和36年 1961年 4月1日以前に生まれた男性• 昭和36年 1961年 4月1日以前に生まれた女性公務員・女性私学教職員 注• 昭和41年 1966年 4月1日以前に生まれた女性一般会社員 注 女性のうち旧共済組合員(国家公務員・地方公務員・私学教職員)は、特別支給の老齢厚生年金の開始年齢が男性と同一になっています。 上記の年月日より後に生まれた人は特別支給の老齢厚生年金の制度がなくなり65歳からの支給になるので、通常は今回の改定の恩恵にはあずかれませが、老齢年金を繰上げ受給する場合は、年金額は繰上げによる減額がありますが、新基準が利用できることになります。 また、昭和32年 1957年 4月までに生まれた人は、制度が施行される令和4年 2022年 4月の時点で65歳になるので、この恩恵にはあずかれないことになります。 2022年4月以降、支給停止基準額が47万円に引き上げられると、在職しながら特別支給の老齢厚生年金を受給している人の多くは、年金を減額することなく受け取れることになります。

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在職老齢年金改正 働きながら繰り上げ受給で月10万円年金増も

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もくじ• オプションA 被用者保険(厚生年金保険・健康保険)の更なる適用拡大 適用拡大1(125万人ベース); 被用者保険の適用対象となる現行の企業規模要件を廃止した場合 ・所定労働時間週20時間以上の短時間労働者の中で、 一定以上の収入(月8. 8万円以上)のある者(125万人)に適用拡大し、短時間労働者の中で適用される者の比率が一定と仮定した場合 適用拡大2(325万人ベース); 被用者保険の適用対象となる現行の賃金要件、企業規模要件を廃止した場合 ・対象外となる者を除いて、所定労働時間週20時間以上の短時間労働者全体に適用拡大。 学生、雇用契約期間1年未満の者、非適用事業所の雇用者については対象外。 適用拡大3(1,050万人ベース); 一定の賃金収入(月5. 8万円以上)がある全ての被用者へ適用拡大した場合 ・学生、雇用契約期間1年未満の者、非適用事業所の雇用者についても適用拡大の対象。 (雇用者の中で月5. 8万円未満の者のみ対象外) オプションB 保険料拠出期間の延長と受給開始時期の選択 1 基礎年金の拠出期間延長; 基礎年金給付算定時の納付年数の上限を現在の40年(20~60歳)から45年(20~65歳)に延長し、納付年数が伸びた分に合わせて基礎年金が増額する仕組みとした場合 2 在職老齢年金の見直し; 65歳以上の在職老齢年金の仕組みを緩和・廃止した場合 3 厚生年金の加入年齢の上限の引き上げ; 厚生年金の加入年齢の上限を現行の70歳から75歳に延長した場合 4 就労延長と受給開始時期の選択肢の拡大; 受給開始可能期間の年齢上限を現行の70歳から75歳まで拡大した場合、65歳を超えて70歳、75歳まで就労した者が、受給開始時期の繰下げを選択すると給付水準がどれだけ上昇するかを試算。 5 就労延長と受給開始時期の選択肢の拡大(オプションB-4に1~3の制度改正を加味) 上記1~3の制度改正を仮定した上で、受給開始可能期間の年齢上限を現行の70歳から75歳まで拡大した場合、 65歳を超えて70歳、75歳まで就労した者が、受給開始時期の繰下げを選択すると給付水準がどれだけ上昇するかを試算。 注;上記4、5の試算において、70歳以上の繰下げ増額率は、現行の繰下げ増額率(1月当たり0. mhlw. pdf によると、 オプション試算A(被用者保険の更なる適用拡大)については、 「適用拡大は、所得代替率や、基礎年金の水準確保に効果が大きい」とされています。 「所得代替率」とは、現役会社員の賃金水準に対する高齢夫婦世帯への年金額の割合のことです。 オプション試算B(保険料拠出期間の延長と受給開始時期の選択) ・基礎年金の加入期間の延長 ・在職老齢年金の見直し ・厚生年金の加入年齢の上限の引上げ ・就労延長と受給開始時期の選択肢の拡大 については、 「就労期間・加入期間を延長することや、繰下げ受給を選択することは、年金の水準確保に効果が大きい。 」とされています。 在職老齢年金制度の見直しについては、そのような効果は認められない、ということですね。 mhlw. pdf 「65歳以上の在職老齢年金の仕組みを緩和・廃止した場合」の以下の2つの試算結果が提示されています。 65歳からの在職老齢年金制度の基準額を引き上げて緩和したり、廃止したりすると、将来世代の年金の水準が下がってしまうということですね。 なお、この、65歳からの在職老齢年金制度の緩和・廃止見直し試算は、「試算の便宜上、2026年度より見直しをした場合として試算」したものであり、 「在職老齢年金の見直しによる就労の変化は見込んでいない」そうです。

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65歳未満の在職老齢年金の基準が「28万円」から「47万円」へ引き上げへ

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記事投稿日:2020. 06 60 歳代前半は限られた層が増額の対象に 政府は年金制度改革の一環で在職老齢年金制度の見直し案をまとめました。 改正内容は今まで総報酬月額相当額(月の賃金等)+老齢厚生年金の受給額28万円以上の方が減額されていたのを、60代後半の方と同じ47万円を超えたときに超えた額の2分の1減額に変更されることになります。 当初の改正案では働く60代前半の方を年金減額対象としにくくするのが目的でしたが、実際は限られた生年月日の方だけが何らかの恩恵を受けられる案になりました。 制度改正が2021年4月からだとするとその年に60歳代前半で年金受給できる、男性の場合昭和31年4月2日~36年4月1日生まれの方が増額にあずかれることになるからです(女性では昭和31年4月2日~41年4月1日生まれの方)。 昭和36年4月2日以降生まれは60歳台になっても65歳まで年金は支給されない世代であり対象になりません。 65 歳からの在職老齢年金は? 60歳代後半の方の在職老齢年金の基準収入は47万円で据え置きの予定です。 今まで厚生年金をもらいながら働き続けると年金額は毎月増えるのではなく節目の年齢で再計算されて増額されていました。 69歳までは65歳時に計算した額でいきます。 70歳になった時点でもう一度再計算されて増額されていました。 途中で退職したら加入期間で増えた分を計算し退職の翌月から増額されました。 見直し案では65歳以降には毎年1回計算し直して年金が年々増えていく「在職定時改定」制度を導入する方向で2022年改定を目指しています。 これにより年800億円くらい給付が増える見通しですが、働けるうちは働こうとする人を後押しするとともに、働き続けることで年金増額を早く実感することができるとしています。 いくらくらい増えるの? 65歳以降厚生年金に加入して1年間働くといくらくらい年金が増えるかという試算を見ると報酬月額が20万円で月1,100円、年で13,200円になります。 30万円なら年約2万円になります。 年金は受給開始年齢を65歳から1か月遅らせるごとに0. 7%増額される繰り下げの仕組みもあります。 70歳まで繰り下げると42%の増額です。 継続就労するならこちらも検討されるのがいいでしょう。

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